革靴は丁寧にメンテナンスをしてあげることで、長く愛用し続けることができます。
汚れを落とす、クリームで保湿する、ワックスでツヤを出すなど、いろいろな工程がありますが、リムーバーを使うことも大切です。
リムーバーとはどのような役割を果たすのか、その特徴を理解して、適切に使っていきましょう。
リムーバーとは
リムーバーは落とす、剥がすという意味があり、革靴用のリムーバーは、靴の表面に付いた汚れを落とすだけでなく、皮革に入り込んだ古いクリームやワックスを落とす役割もあります。
汚れだけでなく、クリームやワックスも落とす必要があるのかと不思議に思われるかもしれません。
クリームによる保湿やワックスによる防水や防汚を行うことも大切ですが、保湿作用や保護作用は永久に持続するわけではありません。
時間が経つと効果が薄れるので、定期的な塗り直しが必要です。
もっとも、クリームやワックスが勝手に落ちるわけではなく、靴の表面や革の内部まで入り込んでいます。
その状態でクリームやワックスを塗り重ねると、ムラが出ることや浸透力が落ち、密着度も低くなります。
せっかく塗り直しても最大限の効果が出ないため、いったんリムーバーで汚れやクリーム、ワックスをリセットし、まっさらな状態にしてあげることが大切です。
クリームやワックスが残っているとダメージの原因に
クリームやワックスをせっかく塗ったのだから落とさなくても良いのでは、時間が経つと効果もなくなり、クリームやワックスもすべて取れていると思われがちです。
ですが、革は天然素材で繊維があるので、その中に入り込んでいます。
クリームやワックスを付けると、革の毛穴を塞いで通気性が低下することがあります。
特に必要以上にクリームを厚塗りした場合やワックスが一部剥げるなどしてムラがある状態で塗り重ねてしまうと、通気性もまばらになり、均一になりません。
すると、水濡れした際に水分が均一に蒸発できず、銀浮きといって革の表面がデコボコになる原因になります。
銀浮きを予防するためにも、リムーバーでクリームやワックス、汚れをすっきりと落としてから塗り直すことが大切です。
人間のお肌も、毎日クレンジングをすることや洗顔をしたうえで、化粧水やクリームなどを付けるのではないでしょうか。
洗うことなく、どんどん塗り重ねれば、汚れや肌の上で酸化したクリームが残ることになり、肌荒れや肌トラブルの原因となります。
革靴の皮もお肌と同じで、いったんリセットしてから、塗り直した方がクリームが浸透して、革をしっかり保湿してくれるうえ、トラブルの予防につながります。
リムーバーの選び方
リムーバーはさまざまな種類のものがあり、成分によって使える対象が異なります。
革靴といっても、どんな革が使われているのかで使用できるリムーバーが異なるので、対象となる素材をしっかり確認して選びましょう。
たとえば、成分が優しく、デリケートな革、ツヤ感のある牛革のスムース革に使えるものであっても、起毛させたスウェードやヌバック生地の革靴には使えません。
ヌメ革やヘビ革など特殊な素材には使えない場合も多いです。
また、濃度が高い有機溶剤などが入っているリムーバーは、汚れを強力に落としてくれますが、ベジタブルタンニンなめしといったデリケートな革を使った革靴では、色落ちのおそれがあるので気を付けましょう。
まとめ
リムーバーは汚れを落とすだけでなく、保湿クリームや艶出しや防汚、防水に硬化を発揮するワックスの残りなどを除去する役割があります。
ムラがある状態でクリームやワックスを塗り重ねると、浸透力や密着度が低下するだけでなく、銀浮きなどのトラブルの原因になります。
そのため、リムーバーでしっかりとリセットする工程も大切です。
以上、革靴のメンテナンスに必要なリムーバーについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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