革靴は、通勤・通学はもちろんのことカジュアルな場面でも活躍してくれるので、普段から愛用している方も多いでしょう。
そんな便利な革靴ですが、よく見てみると購入時に比べて色が変わってしまっていたり、ところどころ色落ちしていたりしていないでしょうか。
お気に入りの革靴ならいつまでも良い状態で履き続けたいですよね。
そこで、ここでは革靴が色落ちしてしまう原因や色落ちしてしまった時の対処法などについて詳しく紹介していきます。
革靴の変色は避けられない
革靴だけでなく財布などの革製品では「育てる」という言葉がよく使われます。
これは革の経年劣化による色合いの変化や光沢の変化を楽しむという意味であり、革製品の魅力でもあります。
こういった言葉があることからもわかるように、革製品というものは使い方や環境によって表情が変化するものであり、変色を完全に防ぐということはできません。
ですから、変色を「味が出てきた」と好意的に理解して経年劣化を楽しむというのも一つの方法です。
変色の原因と対処法
ここからは、それぞれの変色の原因や対処法などを見ていきましょう。
摩擦による傷
革靴を履いていれば砂や石などが表面に当たったり、階段を上る時につま先をぶつけたり、満員電車の中で誰かに靴を踏まれたりすることはよくあることです。
このようなことが原因で革靴の表面に傷が付いてしまうと、染料が剥がれ落ちてしまい、傷のない部分と比べて白っぽく色落ちしてしまったように見えてしまいます。
摩擦による傷が原因の場合は、染料が剥がれ落ちてしまっているので、色付きのクリームを使って修復します。
着色クリームは乳化性のものを使うと、元の色と馴染んで自然な色合いになるのでおすすめです。
クリームを塗ったらブラシで馴染ませて、乾いた布で拭いていきましょう。
水分による染料の溶け出し
革靴の素材として使われる革の種類にはいくつかありますが、大きく「本皮」と「合皮」の2つの分類することができます。
比較的価格の安い革靴に使用されることの多い合皮は、ポリエステルやポリウレタンなどの合成樹脂を加工して素材感や質感を天然の皮革に似せたものであり、雨を弾く性質があるので色落ちしにくい特徴があります。
一方、本皮は牛や羊などの動物から採取される天然皮革であり、加工時に染料を使って色を付けるのが一般的です。
染色は本皮の質感が失われることがないように低温で行われるのですが、低温での染色は色を定着させるのが難しいという問題があります。
しかも、本皮は動物由来の皮革なのでたんぱく質や脂質が含まれています。
たんぱく質や脂質が残ったままだと革が腐敗してしまうので「なめし」という作業が必要になりますが、この時に使用される化学薬品やタンニンには染料の定着を弱めてしまう性質があるため、余計に色落ちしやすくなってしまうのです。
このような性質上の違いから、本皮を使った革靴は色落ちしやすいという特徴があります。
特に雨などで革靴が濡れてしまうと染料が溶け出して変色の原因となるので注意が必要です。
水濡れによる変色も染料が抜けてしまっているので、基本的な対処法は摩擦による傷と同じです。
色付きのクリームを使って修復していきます。
ただし、修復しただけではまた雨に濡れると色が抜けてしまうので、防水スプレーを吹きかけることや定期的に風通しの良い場所で陰干しするなどのメンテナンスが効果的です。
革靴の乾燥
乾燥にも注意が必要です。
革の表面には油の被膜があり、水分の蒸発を防ぐことで独特の柔らかさや光沢を維持しています。
しかし、長年履き続けていると油分が流れ出して水分を内部に蓄えておくことができなくなり、ひび割れなどを起こすことで白っぽく変色してしまいます。
感想による変色は染料が落ちているわけではないので、無色のクリームを使って油分を補ってあげましょう。
仕上げに保湿成分の含まれているワックスなどでコーティングすると、乾燥から革靴を守ることができます。
まとめ
ここまで革靴が変色してしまう原因と対象を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
革靴は普段のお手入れによって変色のスピードを遅らせることはできても、完全に防ぐことはできません。
もしも変色が見られるようならば、原因に合わせて適切な方法で修復してみましょう。
作業自体はそれほど難しいものではありません。
自分で修復するのが不安ならば専門の業者にお願いしてみるのも良いでしょう。
以上、革靴が変色する原因と対処法についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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