革靴製法を気にして購入したことはありますか。
製法はメーカーの違いや、職人の手作りかどうかで異なると思われがちですが、そもそも、革靴製法としていくつもの種類があります。
どの革靴製法を採用しているかで、履き心地や耐久性などに違いが出るので、革靴製法を知っておくこともおすすめです。
革靴製法で違いが出るポイント
革靴製法の中でも、違いが出るのが靴底の装着の方法です。
大きく分けると、縫い付ける方法と貼り付ける方法があります。
縫い付ける方法は伝統的な技法で、ソールの外周に沿って糸でアッパーを縫い付ける方法です。
縫い付け糸は、濡れると強度が高まる麻糸に松やにを染み込ませて防水性を高めたものが使われます。
ソールを丸ごと交換する修理がしやすく、定期的にメンテナンスをしていけば、長く愛用できるのがメリットです。
これに対して、貼り付ける方法は、糸を使って縫うことはせず、ソールに強力な糊を塗ってアッパーを圧着機で貼り付けます。
大量生産された安価な靴によく見られる方法です。
アッパーが変形しやすく、ソールを丸ごと交換する修理には適していません。
安価な分、長く使用するには向いておらず、履きつぶすたびに買い替えが必要なタイプです。
グッドイヤーウェルテッド製法
グッドイヤーウェルテッド製法はイギリス製の高級ブランド靴のほとんどで採用している代表的な方法で、縫い付ける方法です。
アッパーとソールを2回に分けて縫う、複式縫いで仕立てられます。
靴の内面と底を貫通する糸がないので、防水性に優れています。
一方で、アウトソールの脱着がしやすいので、オールソール交換修理を何度も行うことが可能です。
防水性が高く、履きつぶしてもオールソール交換修理をしやすいので、営業などで歩くことが多い方におすすめです。
ただし、履き始めはソールの返りが悪くなります。
靴が馴染むまでのプロセスを楽しみ、丁寧にお手入れすることや修理を重ねながら長く愛用したい方におすすめの革靴製法です。
マッケイ製法
マッケイ製法は、アッパーとソールを1度に縫い付ける単式縫いで仕立てます。
イタリア製のブランド靴に代表される方法で、細くスタイリッシュなデザインにしやすいのも特徴です。
シンプルな製法で、ソールの返りも比較的良いので、履き始めから歩きやすく、通気性にも優れています。
ただし、アウトソールに出ている糸が靴の内部とつながっている縫い方のため、雨の日には糸を通じて水が染み込むおそれがあります。
履き初めから快適に履きたい方や晴れの日のみ履いて雨の日は別の靴を履くなど、使い分けをしている方におすすめです。
靴底が減ったら、オールソール交換修理もできますが、底を縫い付ける際に中底に穴ができる製法なため、オールソールの交換は2回程度が限界になります。
セメンテッド製法
セメンテッド製法は貼り付ける方法の代表的なもので、スニーカーでも多く採用されています。
圧着機を用いた大量生産が可能で、リーズナブルな価格で革靴を買いたい方におすすめです。
防水性が高く、さまざまなデザインに仕立てられるのがメリットです。
ただし、オールソール交換修理には適していないため、靴底が大きくすり減ったら買い替えるしかありません。
履き初めから快適に履きたい方、雨の日でも使い分けせずに履きたい方や靴は消耗品と割り切っている方に選ばれています。
1つの靴を長く履くのではなく、さまざまな色やデザインの靴を楽しみたい方にもおすすめです。
まとめ
革靴製法により、履き心地や耐久性、修理の可否、価格などが異なるので、買う前に革靴の製法をチェックすることも大切です。
大きく分けると靴底を縫い付ける方法と、機械を用い糊で貼り付ける方法があります。
縫い付ける方法は修理がしやすく、長く愛用できます。
貼り付ける方法は防水性に優れ、価格は安価ですが、靴底修理には適していないため、履きつぶしたら買い替えが必要です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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