タンニンなめしは、革を加工する伝統的な手法であり、数週間から数ヶ月という時間をかけて行われます。
このプロセスは複雑で多くのステップを含んでおり、熟練した技術が要求されます。
以下にタンニンなめしの基本的な手順を紹介しますが、専門的な知識と慎重な操作が必要なため、実際に行う際には詳細なリサーチや専門家の指導を求めるべきです。
生皮の準備

- 生皮の調達: なめしを始める前に、質の良い生皮を調達します。生皮は牛、羊、山羊、豚など様々な動物から得られます。
- 浸漬: 生皮を水に浸し、血液や汚れを洗い流します。このプロセスは水分を戻し、皮を軟化させることを目的としています。
- 毛の除去: 生皮の毛を取り除くために、石灰水に漬けた後にスクレーパーで擦り取ります。この工程は「アンヘアリング」と呼ばれます。
前処理
- 漂白: 毛を取り除いた皮をさらに浸漬して残りの脂肪を取り除きます。
- 中和: 石灰と他のアルカリ性の物質を中和するために、酸で処理します。
- 漬け込み: 皮を柔らかくし、鞣し剤の浸透を助けるために、エンザイムを用いて皮を漬け込みます。
タンニン鞣し
- タンニン溶液の準備: タンニン鞣しに使われるタンニンは、クワ科植物の樹皮、栗の実、ミモザ、サマックなどの植物から抽出されます。
- 漬け込み: 皮をタンニン溶液に漬け込みます。最初は濃度の低い溶液で始め、徐々に濃度を上げていきます。このプロセスは数週間から数ヶ月かかることもあります。
- 撹拌: 皮が均等に鞣されるように定期的に撹拌します。
後処理
- 柔軟化: タンニン鞣しをした皮は硬くなるため、オイルやグリースを使って柔らかくします。
- 乾燥: 皮を自然乾燥させるか、乾燥機で乾かします。自然乾燥の場合は、適切な通気と温度が保たれた場所で行います。
- 仕上げ: 乾燥した皮にはさまざまな仕上げ処理を行うことができます。例えば、磨いて光沢を出したり、染色して色をつけたりします。
品質管理
- 検査: なめし革は様々な物理的、化学的試験を通じて品質が検査されます。
- グレーディング: 革の品質に応じて等級分けを行い、その用途を決定します。
タンニン鞣しは非常に時間と手間がかかるプロセスですが、これによって作られる革は耐久性があり、独特の美しいエイジング効果が得られます。
エコロジカルな観点からも、植物性タンニンを用いたこの方法は化学物質を使ったクロム鞣しより環境に優しいとされています。
しかし、長い時間を要することやコストがかかることから、量産には向いていないという欠点もあります。
以上、タンニンなめしのやり方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。