「靴を見ればその人がどんな人かわかる」と言われることもあり、仕事で履く革靴に普段から気を使っている営業マンも多いのではないのでしょうか。
その一方で、「なかなか自分の気に入ったアイテムが見つからない」などの理由から、一足の革靴をヘビーローテしている方も少なくはないでしょう。
革靴をきれいに保ちたいならこまめなお手入れが欠かせませんが、「面倒なので水洗いして汚れを一度にきれいさっぱりと落としてしまいたい」と考える方も多いはずです。
そのような時、そもそも革靴は水洗いしても大丈夫なのでしょうか。
もし大丈夫ならばどのように水洗いするべきなのでしょうか。
革靴のお手入れというとブラシで表面に付着した汚れを払っている場合やクリームを塗って光沢を出すといった程度で済ませている方がほとんどでしょう。
確かに、このようなお手入れをすることで見た目的にはきれいな状態を保っているかもしれませんが、決して十分ではありません。
靴の汚れというのは外側から付くだけでなく、内側に要因があることも多いからです。
靴を長時間履いていれば汗もかきますし、皮膚の脂分が靴の内部に付着してしまうこともあります。
汗の水分が革靴の内部に浸透したまま放っておくとカビが発生して表面に白い汚れが浮き出すことがありますが、カビというのは根っこを張るのでブラシで払うだけや拭き取るだけでは繁殖を防ぐことができません。
また、革靴の内部に付着した脂分は雑菌の栄養分となるため、汚れの原因となるだけでなくニオイの原因にもなります。
このように、一見するときれいに見える革靴でも、実は内部は思った以上に汚れていることが多いのです。
汚れやニオイが気になる革靴を水で丸洗いすることできれいになるならお手入れは簡単ですが、そもそも革靴は水洗いしても大丈夫なのでしょうか。
実は革靴には水洗いしても問題ないものもあれば、水洗いに適していないものもあるので、なんでもかんでも水洗いしてしまうのは避けるべきです。
では、どんな革靴なら水洗いしても大丈夫なのでしょうか。
見極めのポイントは次の2点です。
革靴といっても、使われている素材にはさまざまなものがありますが、本革製の革靴であれば基本的に水洗いがOKです。
しかし、クロコダイルやパイソン、オーストリッチなど、爬虫類や動物から採取される「エキゾチックレザー」、ヌバックやスエードといった「起毛革」、ヌメなどの「なめし革」が使われている革靴は水洗いしてしまうと独特のツヤや光沢、起毛の立ち上がりが失われてしまうことがあります。
水洗いは避けるべきでしょう。
革の表面に染料が使われている場合も注意が必要です。
特に水性の染料が使われている場合は、色落ちしてしまう可能性が高いので、水洗いは避けたほうが無難です。
使われている染料がどのようなものかわからない場合、靴の目立たない部分をちょっとだけ水を含んだ布で拭いてみると色落ちしやすいかどうか判断できます。
では、自分で水洗いをするのであれば、どのようにすれば良いのでしょうか。
水洗いする前に靴ひもを取ったら、まずは付着している大きなゴミや汚れをブラッシングで落とします。
あまり硬いブラシを使ってしまうと革靴の表面に傷が付いてしまうので、柔らかいブラシを使うのがポイントです。
使い古しの歯ブラシでもかまいませんが、おすすめは馬の毛のブラシです。
また、革靴の表面にワックスやクリームが残っていると水を吸収しにくいので、ステイリムーバーを使ってきれいに拭き取っておきます。
靴が十分に浸るほどの容器を用意したら、そこに35~40℃前後のぬるま湯を入れて革靴を浸します。
水よりもぬるま湯のほうが汚れが落ちやすいのでおすすめです。
時間は20~30分程度が目安ですが、革靴全体にお湯が染み込めばOKです。
革靴をお湯から引き上げたらスポンジに洗剤を付けて洗っていきます。
洗剤は台所用洗剤でもボディーソープでも大丈夫ですが、仕上がりにこだわるなら皮革用のサドルソープを使うと良いでしょう。
保湿成分が含まれているので安心です。
洗い終わったら洗剤の成分が残らないようにきれいに洗い流し、雑巾や布なので革靴の表面や内側の水分を拭き取ります。
洗剤の成分が残っていると染みになることがあるので注意が必要です。
おおまかな水分を取ったら風通しの良い場所で陰干して革靴を乾燥させます。
完全に乾くまで数日かかることもあるでしょう。
また、乾かす時は革靴の内側に新聞紙を丸めて入れておくと水分を吸収して乾きが早くなりますし、型崩れや縮むのを防いでくれます。
洗剤を使って水洗いした革靴は油分が抜けてしまっていますし、乾燥により水分も不足しています。
オイルや靴クリームを塗って油分や水分を補ってあげましょう。
革靴でも使われている素材や染料によっては水洗いが可能です。
汚れやニオイが気になるなら正しい方法を理解したうえで水洗いできれいにしましょう。
ただし、物によっては失敗してしまうリスクもあるので、不安であれば専門の業者にお願いするのが安心です。
以上、革靴の水洗いで失敗しないためのポイントについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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