現代では当たり前のようにみんな出かける時には靴を履きます。
けれども、大昔は靴もなく、裸足で歩くのが普通の時代もありました。
知ればおもしろい靴の歴史について見ていきましょう。
中世の時代、ゲルマン人は狩りをして生活していました。
山や沼地、森林を歩く時には危険がいっぱいです。
できるだけ安全に快適に狩りをするためには、足を守る必要があります。
そこでゲルマン人は、狩り用のブーツを履くようになりました。
湿気にも強く防水性もあり、沼地にも入れるような少し丈のあるブーツです。
ブーツなら少しくらい荒れた土地でも踏破できます。
そんなブーツこそが、世界で初めて誕生した靴だと言われています。
当時は革のブーツを何枚も重ねて履くのが一般的でした。
寒い冬を越すためには、ブーツの厚さが重要です。
多少重くとも寒さをしのげるのであれば良いと考えられていました。
ゲルマン人は移動民族であり、沼地などのない平地にて暮らす時もあります。
その時には分厚いブーツは歩きにくくなるので、革をいくつかカットして履いていたようです。
ブーツを切り落として短くなったものが、現代の靴の原形です。
その後ゲルマン人はヨーロッパを征服しました。
そして、ゲルマン人がヨーロッパ全土に靴を広めたと言われています。
ブーツはもちろん、ハイヒールやビジネスシューズなどがどんどんと開発されていき、種類も増えたようです。
ヒールが高めの靴は、今では女性のお出かけ用靴として定番となっています。
そんなハイヒールは、実はその昔は男性の履物だったという説があります。
16世紀にペルシャの戦士たちが馬に乗る時にヒールの高い靴を履いていました。
ヒールのある靴は、馬のあぶみに引っ掛けて乗りやすいのです。
また、ヨーロッパの貴族の中でもルイ14世は背が低めでした。
そのため、ヒールの高い靴を履いて、少しでも身長を高く見せていたそうです。
下水道がまだ発達しておらず、フランスの市街の道は汚い水が流れていました。
そんな道を清潔に歩くためにも、ヒールのある靴は役立ちます。
そんな理由で、貴族だけでなく庶民たちもヒールのある靴を履くようになっていきました。
ナポレオン戦争などが勃発する中で、男性はヒールが低いほうが戦いやすく、だんだんとローヒールを履き始めます。
そして、ヒールの高い靴は女性向けとなります。
20世紀に入り、女性のファッションアイテムとしてハイヒールのデザインがどんどん開発されていきました。
ヒールの芯もコルクが使用されていたのが、スチール素材なども取り入れられるようになります。
トレンドも取り入れ、さまざまなおしゃれなハイヒールが誕生しました。
海外ではゲルマン人のブーツに始まり、ヨーロッパでヒールが広まりました。
一方、日本国内では、江戸時代末期から明治時代の初期の頃にかけて洋式の靴が履かれるようになったとされています。
それまではいわゆる下駄や草履が主流でした。
明治3年3月15日は、「靴の記念日」です。
この日東京築地にて、近代的な靴の工場が国内で初めて誕生して靴の製造がスタートしたのです。
最初にたくさん作られたのは軍靴でしたが、その後鹿鳴館に似合うようなおしゃれな洋靴のデザインが考え出されました。
婦人用紳士用、それぞれいろいろな靴が作られます。
材料に革も使用するようになり、革靴も誕生しました。
和装である着物から洋服へと人々のファッションが変わっていく中で、それに似合う洋風の靴もどんどん広まります。
仕事でもプライベートでも洋風の靴を履くことが増えていきました。
いつしか日本の靴は、ニューヨークに並ぶ東京ファッションとして注目されるまでに成長します。
改めて靴の歴史を知ることで、時代の歩みとともに開発されてたのがわかります。
ゲルマン人のブーツに始まり、洋服に似合うように洋靴が考え出されたわけです。
今や日本の靴は履きやすく機能性もデザイン性も高いものが溢れています。
今後もますますクオリティの高い靴が登場することでしょう。
以上、靴の歴史についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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